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【実例で検証】家は買うと得?借りると損?

「家は買うと得!借りると損!」という考え方は正しいのか?実例で検証してみました。※実在する不動産をベースに、一部数字は推定値を用いています。

 あわせて、「買う場合の注意点」と「早く買うことのメリット」についてもお伝えします。

検証する家の設定条件

  • 中古マンション
  • 築年数:5年
  • 立地:JR中央線「高円寺」駅 徒歩5分
  • 構造:鉄筋コンクリート造
  • 所在階:3階
  • 面積:60㎡(2LDK)
  • 経年による価格下落、相場による価格変動は起きない(購入価格と売却価格が同じ)

買う方が借りるより負担は少ないのか?

 「買う方が借りるよりも、月々の負担が少ない」と考え、買うことを選ぶ方も多くいます。まず、この点を検証していきます。

 設定した家の条件であれば、相場価格は5,900万円程度です。全額を借入期間35年で借り入れて買う場合、住宅ローンの返済額は月額173,200円になります。なお、金利は1.24%(固定金利水準)で試算しています。

 一方、同じ条件の家を借りる場合、賃料は月額190,000円~210,000円程度です。

 買う場合と借りる場合を比較すると、ここまでは買う方が月額2万円負担が少ないように感じます。

 ただ、買う場合と借りる場合を、正確に比較するには管理費・修繕積立金・固定資産税といった維持費を加味することが必要です。

 設定した家の条件であれば、維持費等の目安は次の通りです。

  • 管理費:19,400円/月
  • 修繕積立金:10,100円/月
  • 固定資産税・都市計画税:10,000円/月換算
  • 住宅ローン控除:収入として16,600円/月換算
    ※最大額である年間20万円を月額で案分

 住宅ローンの返済額と維持費等を合計すると、負担は月額196,100円となりました。借りる場合の賃料月額190,000円~210,000円と買う場合を比べると、月々の負担に明確な違いはなくなりました。

 維持費を加味すると、必ずしも「買う方が借りるよりも、月々の負担が少ない」とは言えないようです。

短期で住み替えると損

 家を買うときには、仲介手数料・登記費用・金融機関に支払う保証料などの諸経費が必要です。中古の家であれば、物件価格の6%~8%を一応の目安にすると良いでしょう。

 設定した家の条件であれば、350万円~470万円の諸経費が別途必要ということになります。

 月々返済する住宅ローンのうち、元金分は貯蓄しているのと同じ効果があります。一方の利息分は金融機関に支払うだけですので、貯蓄性はありません。月額173,200円の返済額の場合、初月の元金分112,200円は貯蓄といえますが、利息分の61,000円には貯蓄性がありません。

 借入額5,900万円の場合、元金分の返済額は当初1年間は約135万円、当初3年間で約410万円になります。

 つまり、元金分(貯蓄した分)の返済額が買うときに支払った経費を上回らないので、短期間で住み替えると経費分で損になりやすいと言えるでしょう(今回の試算では、3年間は住まないと損になるということ)。

修繕積立金は値上げされる

 多くのマンションで、数年ごとに修繕積立金を値上げすることで、必要な修繕費をまかなうことができる『段階増額積立方式』を採用しています。

 つまり、今の修繕積立金が値上げされて、月々の負担が大きくなる可能性は十分にあるということです。

 今の修繕積立金は10,100円(単価168円/㎡)ですが、仮に10年後に単価が300円/㎡に改定されると修繕積立金は月額18,000円になります。10年後は住宅ローン控除もなくなりますので、住宅ローンの返済や他の維持費を加味した実質負担は月額220,600円になってしまいます。

 家を買うときは、修繕積立金の値上がりも含めて将来の負担を把握しないと、借りる場合との比較を正確に行うことはできません。

修繕積立金の値上がりについて、さらに知りたい方はこちら↓
中古マンションの内見では長期修繕計画書を見なさい

変動金利でのシュミレーションは要注意

 金利には、大きく分けて「固定」と「変動」があります。変動金利は、固定金利よりも金利水準が低いのが特徴です。

 5,900万円を借り入れて家を買う場合、金利を変動の水準0.457%で試算すると返済額は月額152,000円になります。固定の水準1.24%で試算した月額173,200円よりも約2万円安くなり、同水準の家を借りる場合の賃料月額190,000円~210,000円と比較すると約4万円も安くなってしまいます。

 不動産会社がインターネットやチラシで試算している返済額は、月々の負担を低く見せる目的で変動を採用していることが多々あります。

 しかし、変動による借り入れは、金利変動のリスクを伴います。今の金利水準での返済額が家計の負担として精一杯だと、金利が上昇したときに対応できません。それであれば、変動ではなく固定を採用し、固定の水準で試算しておくのが望ましいです。

買うのは早い方が負担が少ない

 これまでの検証をみると、買う方が借りるよりも損な気がしてきます。一方で、家の購入は資産形成に有効であることは間違いなく、大切な観点は「買うのは早い方が負担が少ない」ということです。

 多くの金融機関で、住宅ローンの借入期間を満80歳までの期間で設定できます。45歳の方であれば、借入期間35年の住宅ローンを借りることが原則的には可能ということです。

 しかし、年金の一部を返済に充てることや、退職金を返済に充てることを前提に住宅ローンを組むのは資金計画の面で望ましくありません。老後の生活を考えると、定年までに住宅ローンは完済しておくべきでしょう。

 定年を65歳と想定した場合(65歳までに住宅ローンを完済する場合)、住宅ローンの返済額は次のようになります。

  • 35歳で買うと借入期間30年:
    月額196,300円の返済(借入期間35年との差額:23,100円)
  • 45歳で買うと借入期間20年:
    月額277,700円の返済(借入期間35年との差額:104,500円)

 以上の通り、家を買うのは早ければ早いほど、退職までの借入期間を長く設定できるため、負担を少なくできます

 その他にも、代表的な買うメリットとして「団信による保険機能」「リノベーションで好きな空間を手に入れられる」「所有すること自体の安心感」などを挙げることができます。

 資金計画に無理がなく、資産形成に有効であれば、“今”家を買うことが最良の選択肢になり得る可能性は十分にあるでしょう。

らくだ不動産は資金計画からサポート

 らくだ不動産は、買う場合の資金計画からサポートさせていただきます。希望エリアの相場価格もお伝えいたしますので、「買う」か「借りる」かの判断を適切に行うことが可能になります。

 まずはお気軽にご相談ください。


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兒嶋将人
兒嶋将人

宅地建物取引士/2級建築士/ファイナンシャルプランナー2級 大学・大学院と建築学を専攻し、大手リフォーム会社に新卒入社。施工監督を経て、さくら事務所不動産コンサルタント・仲介エージェント。建築士・宅地建物取引士であり、建築・不動産両方の実務経験をもつ。 大学時代はテニスに明け暮れ、大学院では商店街のまちづくりやリノベーションに没頭/趣味:テニスと写真、読書と映画鑑賞/得意分野:契約内容の精査と解説。これまで100件近い契約書類をチェック

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